2015年12月28日 旧暦11月18日 冬至次候
麋角解(びかく げす)鹿が角を落とす(日本)昨日、恒例の餅つき大会を農園で開催しました。
麋角解(さわしかの つの おる) 大鹿が角を落とす(中国)
去年の餅つき大会では『子宝に恵まれますように!』と、もちをついた夫婦が、今年は『安産祈願!』と、もちをつき、去年より家族が増えてにぎやかになっている家庭など、うれしい知らせやハッピーな話題が多い餅つき大会でした。
子供たちはというと、最近は大きく分けて小4から小3のAグループ、小1から5歳児くらいまでのBグループ、2歳児から0歳児までのCグループと3つのグループが出来てきていて、遊び方も多様化してきました。
なかでも印象深かった出来事は、ある5歳児がチラシを棒状に丸めた素材を使って作った、輪ゴムを飛ばす鉄砲を持っていました。
弾に使う輪ゴムは5本程しか持っていませんでしたが、充分ことは足りていました。
それを見たAグループの子たちは、はじめは『貸して、貸して!』と借りて遊んでいたのですが、最終的には割箸を使って鉄砲を自作している様でした。
そして、Aグループの子たちが私に輪ゴムをくれというのです。
しかし農園には輪ゴムもないし、この時には私は輪ゴムを何に使うのかも知りませんでした。
しばらくして、さっきの5歳児が私のところに来て、『輪ゴムがとられた』と言いに来ました。
事のいきさつを詳しく聞いてみると、どうやらAグループの子たちが、5歳児の鉄砲をうらやむあまり、5歳児から、弾に使っている輪ゴムをまきあげて自分たちの鉄砲を作るという暴挙に出たのです。
私はAグループの子に『小さい子から輪ゴムをまきあげてまで遊ぶとはどういう事か!』と叱りつけました。
Aグループの子たちは、バツ悪そうにしょぼ~んとしていましたが、やがて一人の子が、農園の中で何やら探し始めました。
そして作り上げたのは、『弓矢』でした。
ボディと矢は、農園で拾い集めた小枝を利用して、矢を飛ばす弦の部分に輪ゴムを結び付けて矢を飛ばす仕組みです。
私は、はっ!としました。
なぜなら、鉄砲で遊ぶにも弓矢で遊ぶにも輪ゴムが必要ですが、鉄砲だと弾に輪ゴムを使うので輪ゴムが5本あったとしても一人しか遊べません。
でも、飛ばす弾を矢に替えて、拾い集めた小枝でまかなえば、弓1台につき輪ゴム1本使うだけで遊び始めることができるので、5名同時に遊ぶことが出来るようになるのです。
発想の転換という柔軟な思考回路を使って、数の限られた輪ゴムと、農園にあるものを工夫することで最大限に遊びの幅を広げたのです。
私にとって衝撃的で、『火を使い始めた人間の進化の瞬間』を垣間見る出来事でした。
もちをつきながら、出会った気付きに、ただただ感心してしまいました。
来年はどんな年になるのか不確実な要素が多すぎて、誰にもわかりませんが、私たち一人ひとりが確実に持っているであろう、『柔軟な発想力』を思い出して、いい年にしていく人間でありたいと、強く思う2015年末でした。
『みなさん!ぜひとも、よいお年をお過ごしください!心より応援致しております!』
沖縄楽園.com 代表 葛西 圭